北の国カラー全道版 北海道日記

北海道の寒さに弱く、本州の暑さは異次元すぎて無理な道民『どんさんパパ』の旅、食、温泉。

政府専用機新旧交代・日本最後のジャンボ機が引退

 

卒業や転勤、または定年で新旧交代の3月。

 日本の空でも、ある新旧交代がありました。

旅客用途としては日本に残っていた最後の「ジャンボ機」だった政府専用機の引退です。

去る3月24日に26年間の任務を終え、後継のボーイング777-300ERへ引き継ぎました。

 

 今回は、私が撮り溜めた写真を蔵出ししながら、最後のジャンボ機を振り返ります。

 

目次

 

 政府専用機の基地は北海道

f:id:donsanpapaboo:20190326110342j:plain

 

 

意外に思うかもしれませんが、政府専用機を運行する航空自衛隊特別航空輸送隊・第701飛行隊は、首都お膝元の羽田や成田ではなく、北海道の千歳基地新千歳空港と隣接)が拠点なのです。

f:id:donsanpapaboo:20190326113725j:plain

f:id:donsanpapaboo:20190326165803j:plain

 2機体制で運用されている政府専用機の専用格納庫(ハンガー)が、背景の巨大な建物です。

実はこのハンガー、基地敷地内でなく民間側「新千歳空港」敷地内にあります。

札幌から車で新千歳空港へ入る際、道なりに行くと管制塔が現れますが、ハンガーはその手前、道路左側に建っております。

運がよければ、駐機している政府専用機を遠目で見ることができます。

 

1991年より運行を開始し、いままで300回以上の国外飛行任務で要人を運びました。

いわゆる「ジャンボ機」の愛称でお馴染みの機体は、アメリカ・ボーイング製747ダッシュ400型機で、2階席がある頭でっかちの形状に4発のエンジンを抱える巨人機です。

日本ではJALが1970年に第一号機のジャンボ運行開始し、以来多くの人々を運んできが、2014年3月の那覇→羽田を最終便として国内からは姿を消しました。

しかし、政府専用機の2機だけは、最後のジャンボ機として現役で任務を続行しつつ、昨年までは千歳基地航空祭にほぼ毎年参加してました。

 

航空祭でも大人気

航空自衛隊の一般開放イベントでも、規模では日本1~2を争う千歳基地航空祭にて、最後の参加となる昨年、初めて正副2機が揃い踏みでお披露目されました。

ブルーインパルスと並ぶ人気ぶりで、航空祭の華でした。

f:id:donsanpapaboo:20190326114507j:plain

 

747ファイナルの旗がはためく中を、トーイングカーに引かれて2機が揃った。公式な要人輸送任務以外、イベントで2機揃ったのは初めてのこと。

珍しい一枚となりました。

  ちなみに特別飛行隊所属航空機のコールサインは「シグナス」で、政府専用機はシグナス1と2になります。

 

 

シグナスを接写!!

f:id:donsanpapaboo:20190326114428j:plain

f:id:donsanpapaboo:20190326113528j:plain

f:id:donsanpapaboo:20190326113600j:plain

f:id:donsanpapaboo:20190326113937j:plain

政府専用機には、これまた専用のトーイングカーが控えている。

滑走路まで機体を引っ張ってくれる支援車両です。

そのほか、機内には万一の故障に備え、修理機材・資材一式が積みまれており、海外任務の際は必ず整備専門の隊員が同乗するそうです。

 

 

見栄えの入り口、地味な裏口

f:id:donsanpapaboo:20190326114353j:plain

f:id:donsanpapaboo:20190326112712j:plain

ここはよくニュースに登場する部分です。

天皇陛下や総理らが外国訪問の際、タラップを登り最上段で報道陣に手を振る、お約束の場面があります。

ここが政府専用機の表玄関なら……。

 

 

f:id:donsanpapaboo:20190326114012j:plain

裏玄関はこちら。

随行員はこの機体側面に開いた、貨物収容口とおぼしき開口部から、簡単なタラップで乗り降りするのです。

表玄関から乗り降りできるのは「主賓」のみ。

 

 

f:id:donsanpapaboo:20190326114307j:plain

まあそれでも、専用機に乗れるだけ、貴重な体験ですね。

 

f:id:donsanpapaboo:20190326113141j:plain

もちろん私は表玄関からです(*´∀`*)

 

 

唯一の外国首脳同乗はドイツ首相

シグナスにまつわるエピソードでよく語られるのは、2002年のカナダで開催されたカルガリーサミットの際、日本へ帰る小泉総理にシュレーダー・ドイツ首相が同乗を「おねだり」した一件です。

f:id:donsanpapaboo:20190326114740j:plain

公式にはドイツ首相夫人が急用で帰国することになり、乗ってきた専用機を使用したことに加え、ちょうどその時期開催されていた「FIFAワールドカップ2002」のドイツVSブラジル戦(横浜)の試合を観たいが為だったと言われている。

 

当初、ドイツ側からのお願いに、保安上やら危機管理上の理由でいったん断ったが、重ねての要請に小泉総理が許可したという異例の相乗りでしたが……

東京への機内で両首脳は、打ち解けた雰囲気で会談(の後は雑談)を行い、当時話題になりました。

 

しかし、怪しいのはドイツ首相夫人の行動。

いくら急用とはいえ、専用機で旦那(しかも首相)残して帰りますかね?

 

ちなみにシュレーダー首相、その夫人とは後に離婚しているので、おそらく夫婦喧嘩が勃発して置いてきぼりをくったのかと。

これは露見すると恥ずかしいので、隠す為に一計を案じた相乗り要請だったのでは?

と勘ぐりたくなります(笑)

サミット終わったけど、このままドイツに帰国しても夫婦修羅場。

ならばいっそ、日本で自国チームを応援するパフォーマンスをして、政権支持率をアップさせる。

シュレーダー首相がピンチをチャンスに変えるクセ球を蹴ってきたので、小泉総理が受けてあげたような気がしますね。

後に首相を退任したシュレーダー氏は韓国人女性と再婚し、新妻に迎合したのか韓国へ行ってはしきりと日本の悪口を言っているようで、呆れた恩知らずです。

 

 

ブルーインパルスとの共演

f:id:donsanpapaboo:20190326165859j:plain

 千歳基地航空祭で戦闘機を従えての航過飛行。

 

f:id:donsanpapaboo:20190326114113j:plain

 地上滑走中のブルーインパルスがシグナス前を通過。

 

f:id:donsanpapaboo:20190326113828j:plain

垂直尾翼ライジングサン。

航空自衛隊ブルーインパルスの展示飛行とジャンボシグナス2機が一枚に収まるのは、これが最初で最後。

もっといい位置に移動しておくべきだったと、後悔しきり痛恨の一枚でもあります。

 

新型機はジャンボより燃費もよく、騒音も軽減。

エンジンも4つから2つに減り、機体もスリムになりましたが、個人的にはずんぐり頭のジャンボ機に親しみを感じます。

ジャンボ機には何回も乗りましたが、2階席は一度だけ。

あれは無条件でわくわくしましたね。

 

無事故で任務を終えたジャンボ機に拍手を。

お疲れ様でした!